温暖な気候、島の開放感、
他にはない美食の数々で、訪れる人を魅了する
瀬戸内海の離島、兵庫県・淡路島。
中でも近年注目を集めているのが
「淡路島3年とらふぐ」です。
引き締まった身に濃厚なうま味、とろけるような白子。
その贅沢なおいしさを味わうために、
さぁ、さっそく旅支度を。
古くから親しまれてきたふぐ、
いま淡路島で盛り上がる
日本では縄文時代から長く愛されてきたふぐ。
江戸時代の俳人・小林一茶は「五十にて 河豚の味を 知る夜かな」「河豚食わぬ 奴には見せな 富士の山」という句を残し、日本の初代内閣総理大臣となった伊藤博文は、山口県・下関で初めてふぐを口にして「こりゃあうまい」と賞賛。そうやって昔から人々を惹きつけてやまないふぐをより多くの人に味わってもらおうと、最近では天然ものに勝るとも劣らない養殖ものが登場し、淡路島でも盛り上がりを見せています。
鳴門海峡の潮流が影響して、
おいしさが増す
淡路島では40年ほど前に「淡路島3年とらふぐ」の養殖が始まりました。
養殖場があるのは淡路島の南側、日本一潮の流れが速い鳴門海峡に面した福良港。ミネラル豊富な天然の漁場で3年かけて1.2〜1.8㎏といった大きさに育てることで、天然物と遜色ない身のしまり、濃厚な味わいになります。ふぐは養殖期間が3年になると生存率が下がり出荷できない可能性が高まりますが、淡路島では養殖技術を高め、品質を安定させることに成功。やがて養殖ふぐのブランドになりました。
味わい方いろいろ。
いちばんおいしい時期は11月から
「淡路島3年とらふぐ」の旬は、11〜2月くらいまで。この時期に淡路島を訪れたら、まずは定番のお刺身、てっさを召し上がってみてください。薄造りにした身は、コリコリとした食感で噛めば噛むほど味わいが広がります。また、寒い時期はやっぱりてっちりで身体を温めたいものです。こちらはプリプリの食感で、うま味たっぷりの出汁がたまりません。その出汁でつくったふぐ雑炊やクリーミーな白子焼きなども、思い浮かべるだけでもお腹がなりますね。
御食国・淡路島には
贅沢な食材がたくさん
淡路島は、若狭(福井県)、志摩(三重県)と並ぶ御食国(みけつくに)。古代から平安時代にかけて宮廷に水産物などを献上してきた地域です。いまも食材の宝庫であることは変わらず、糖度の高い玉ねぎは全国的に知られる存在。松阪牛や神戸牛のルーツとされる淡路牛は、美しい霜降りで上品な甘みと風味が堪能できます。淡路島産の鱧(はも)は、京都・祇園祭に合わせて八坂神社に奉納され、「はも道中」という鱧の入った桶を担いで練り歩く行事が毎年行われるのだとか。
夏が旬の鱧は、11月くらいまでは濃厚な味わいに変化したものが味わえますし、秋にも春告げ魚の鰆(さわら)が水揚げされます。10〜12月くらいにはヘルシーなイノシシ肉も登場。他にも淡路島には、たこやうに、鯛、伊勢海老、淡路島サクラマス、シラスなどのバラエティー豊かな食材が。季節ごとに訪れて、旬の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。