旅タイム 2024-2025 AUTUMN-WINTER 秋冬号|KAMENOI HOTEL MEMBERS 会員情報誌
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#1にっぽ にんっの知ぽんの味歴史人神々々が棲のまう「心よみをがえ癒りのや地」す熊野道へすがら那智勝浦をゆく。一見何の変哲もない山道にも見える、熊野古道。なぜこれだけ多くの人を惹きつけるのでしょうか?実は熊野は、〝わざわざ旅する価値がある〟と評されるほど、魅力の詰まった土地なのです。熊野古道とは、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社と那智山青岸渡寺の総称)の霊場を結ぶ参詣道のこと。この一帯は、川や滝、巨岩に神が宿るとして崇める自然崇拝を起源とし、「よみがえりの地」として特別な場所とされてきました。そのため、熊野へ詣でることで来世の幸せを神々に託す「熊野信仰」が生まれたのです。そもそも、日本の観光の始まりは「巡礼」の旅であり、熊野詣がその起源ともいわれます。平安時代には身分が高い人のものであった熊野詣ですが、平安・鎌倉時代になると、誰でも平等に受け入れる熊野三山の話題が日本中に広まり、身分を問わず、多くの人々が      厳しい道のりを越えて熊野を目指しました。2004年に、人と自然が長い年月をかけて育んできた文化的景観が類を見ないものとされ、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されたほか、ミシュラングリーンガイドで三つ星を得たこともあり、近年は世界中から観光客が訪れるようになりました。秋は熊野古道をトレッキングするのに最適な季節です。日本三名瀑であり、日本一の落差を誇る133メートルの那智の滝では、名瀑と紅葉の共演が見事です。また、那智原始林に囲まれた参道を歩けば、原生のままの豊富な植物相に圧倒されるでしょう。冬は熊野古道の各地でも雪景色が楽しめます。新年を迎えるなら、「熊野本宮大社」がおすすめです。本殿の戸が開かれる元日の午前二〜四時の間に詣ると心願成就するといわれています。関西屈指の秘境の地熊野古道で古人の想いを辿り歩く四季折々の植物相と迫力の滝景色にっぽんを見てにっぽんを学んでにっぽんを味わう知と味を堪能する旅へ知れば知るほど奥深く、魅了される那智勝浦で熊野古道に霊験あらたかなる神々と出会い、漁場勝浦に未来へ続くマグロ漁法を知る。ちょっとよりみち展望台からの大鳥居往古の熊野詣が偲ばれる大門坂木々の間からしぶきを上げる日本3大名瀑の一つ、那智の滝紅葉の見頃は11月中旬~12月上旬10

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